東電4号機プール評価を「評価」する

<東電4号機プール評価を「評価」する>

”4号機への放水と白煙について”をまとめているとき、「4号機プール評価結果」(下図)という不思議な使用済み核燃料プール水量と水温の図に行き当たった。3月11日〜5月30日(2011年)の主にプール水の推移について「評価」したものである。 不思議に思ったことは、なぜ放水しながらプール水を「核燃料体頂部」(燃料体露出に近いところまで)低下させなければならなかったのかということである。しかも1ヶ月もかけて。

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<上図は東電2011.12.2.福島原子力事故調査報告書 添付資料である>

3月11日からDSP,WELL,SFPのなるに任せておけば、いつかはこの水位になるはずであると考えて、私流に3月11日からの、この評価には触れられていない重要な部分を評価してみた。

私の作った評価図では

図1 3/11の地震でそれぞれのプール水は波打って1m水位が低下したと仮定している。

図2 3/11〜16の5日間でSFPは300トン(水位にして約3m)蒸発する。SFPの水位は核燃料体頂部上3mになる。

4号機プール評価図(DSP=機器貯蔵プール、WELL=原子炉ウェル、SFP=燃料プール)

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図3 しかし、WELLとSFPのゲート部(核燃料体を原子炉<->SFP間を行き来させる通路)の構造が、SFP側の水圧がWELL側より高ければこのゲートは閉じている。逆にWELL側がSFP側より水圧が高いと、WELL側からSFP側に水が流れるようにゲートが動作するようできている。 発電中(炉が稼働中)はWELLの水は抜かれて空の状態なので、このような構造になっているとのことである。SFPの水位が、3m低下したので、DSP,WELL側から水の流入があり、SFPの水位は3mから4mへと1m水位が回復する。

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このことはDSP,WELLから100トンの水の流入があったということであり、DSP,WELLの水位は6mから5.5mへ低下する。DSP,WELLは表面積がSFPの2倍あるので0.5mで100トンになる。<説明>この3図でなぜSFP水位を1mの回復にしたかというと、3/16午後4時ごろ自衛隊がヘリコプターによる放水をどのように行うか検討するため、3号機上空を偵察したとき同乗していた東電社員が、4号機SFPの水位を目視確認した。このときの情報(4号機プールの水位は満水より2〜3mの水位低下である)が正しい数値であると認めて、値の大きい方を選んだわけである。

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3/20から放水開始されるが、図5から核燃料体頂部(0m)まで4mあることがわかる。このことは1日0.6m蒸発すると考えると約7日間の余裕があることになる。WELL側の水も考慮すればさらに数日の余裕が生ずる。最初に書いた疑問 『なぜ放水しながらプール水を「核燃料体頂部」(燃料体露出に近いところまで)低下させなければならなかったのかということである。しかも1ヶ月もかけて。』 についてであるが、このように水量を制御しなければならない?の事情があったのであろうか。

<*1>0.5mで100トンと計算する理由

図ではDSP,WELLがSFPとほぼ同じ大きさで描かれているが、これは紙面の都合である。DSPは表面積100u深さ7.6mで容積は760?である。WELLは表面積95u(11m径の円)で容積は680?(圧力容器=炉の分は除いてある)。4号機は事故当日定期検査中で、DSP,WELLの水は抜かれた状態にある筈であった。しかし、ある事情により水は抜かれなかった。福島原発事故4号機の項を参照のこと。

<*2>1日で0.6メートル蒸発するの、根拠

東京電力から2011年5月26日にアメリカエネルギー省(DOC)に提供されたデータ(下図)を基にしている。この図はCNIC原子力資料情報室データを引用した。

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