4号機核燃料体数

<4号機核燃料体数>

原子力資料情報室が資源エネルギー庁・東京電力資料から作成した、1F核燃料表と、「4号機SFPに貯蔵されている核燃料崩壊熱」(2011年3月11日現在)からわかること。(*1)

(*1)原子力資料情報室 (www.cnic.jp)

まず最初に間違いを指摘しておく。<表1>の集合体数「548」の取り出し時期が2010年10月30日になっていること。これは4号機の「定期検査」(第24回=最後のものとなった)は2010年11月30日から開始されたことになっているので、検査に入って約一週間の「原子炉開放=格納容器蓋、圧力容器蓋の取り外し、その他内部構造物の取り外し=工程」が加わるので早くて同年12月の第1週末である。この取り出し時期は普通、便宜上検査開始日にしていると思われる。問題は、集合体数(炉から取り出された核燃料体に数量)548体の崩壊熱の項目が、全数3,416(W/本)となっていることである。これでは前回検査時に全核燃料体を新品交換したことになってしまう。崩壊熱ごとに分類しなければいけない。

<表1>

1F-4号機 崩 壊 熱 表
2011年3月11日現在
  燃 料 タ イ プ 集 合 体 数 取り出し期間 冷却期間[年] 崩壊熱[W/本]
  7×7 1 1 1980.9.26 30.5 186.2
  8×8 4 4 1986.9.2 24.5 209.1
        2 1995.2.26 16 250.3
  新型   6 1996.4.21 14.9 257.3
  8×8   10 1999.3.19 12 278.2
  ジルコニウム ライナ 30 12 2000.5.17 10.8 288.9
        16 1999.3.19 12 278.2
使 用 済 み 燃 料       92 2000.5.17 10.8 288.9
1,331体       132 2001.10.2 9.4 304.6
  高燃焼度   88 2002.9.16 8.5 318.5
  8×8   78 2005.6.25 5.7 393.6
        4 2006.10.2 4.4 472.5
        101 2007.2.11 4.1 506.6
      560 49 2008.3.28 3 676.9
        1 2006.10.2 4.4 472.5
        87 2008.3.28 3 676.9
  9×9(B)   100 2009.9.29 1.5 1,267
      736 548 2010.10.30 0.3 3,416
   新    204体 9×9(B) 204 204     0
1,535     1,535 1,535      

もう一点は、1F・2Fの核燃料プールに「装荷」「貯蔵」されている<表2>「核燃料データ表」によると、4号機の使用済み核燃料プールに貯蔵されている核燃料体数が1,535体となっていることである。

2011年3月15日読売新聞(夕刊)によれば、「東京電力によると」という書き出しで「・・・プールの中には、使用済み燃料棒783体が保管されていた。4号〜6号機は定期検査中だったが、4号機の冷却機能が失われていた。使用済み核燃料は1〜3号機にも約300〜500体保管されている」とあり、前記の1,535体とはかなりの差がある。これが、3月18日(読売)になると「4号機評価欄」には1,331体と増加する。この数値は本来プールに貯蔵されていた783体に、検査のために炉心から取り出された548体の核燃料体を加えた値と等しくなるので、この数値が正しい値であると思われる。 3月17日、原子力安全保安院は新燃料以外1,331(本)、新燃料204(本)計1,535体と発表する。

東京電力プレスリリース(4月下旬)では1,331体と発表している。(1Fの2,3,4,5機には通常548体が装荷されている)

<表2>

号 機 型 炉  心 使  用  済  み  燃  料  プ  ー  ル (SFP)
出 力 装 荷 量 管 理 容 量 貯蔵量合計 使用済み燃料 うち破損燃料 新 燃 料
(万KW) 集合体 トン(*1) 集合体 ト ン 集合体 ト ン 集合体 ト ン 集合体 ト ン 集合体 ト ン
1(マーク1)46.0 400 69 500 86 392 67 292 51 70 12 100 17
2(マーク1)78.4 548 94 692 119 615 106 587 101 3 1 28 5
3(マーク1)78.4 548 94 672 116 566 97 514 89 4 1 52 9
4(マーク1)78.4 548 94 1,042 179 1,533(*2) 264 1,331 229 3 1 202(*2) 35
5(マーク1)78.4 548 94 1,042 179 994 171 946 162 1 0 48 8
6(マーク1)110.0 746 131 1,006 173 940 162 876 151 1 0 64 11
共用プール - - 6,840 1,176 6,375(*3) 110 6,375 1,101 0 0 2 0
乾式貯蔵施設 - - 408 74 408 74 408 74 - - - -
(*1)トンは集合体数からの計算値。
(*2)2012-7-18〜19新燃料2体取り出しているので、2011-3-11時点では204体。
(*3)1F-4の燃料プールから取り出した新燃料2体貯蔵。
新燃料体について

新燃料204体については、いつどのように出現してきたかがはっきりしない。新燃料体をWeb上で検索してみると、

1)4号機24回定期検査開始を告げる、東京電力プレスリリース(2010年)の記事によると 「燃料集合体548体中140体を取り替えます(注)」とある。140体の新燃料体については解明できたことになるが、204体との差、64体はどこにあるのか不明である。

(注)過去の定期検査実績。2007年 101体、2008年 136体、2009年 100体であり、140体は妥当であろう。

2)産経ニュースWeb版 2012年7月15日によると 4号機は定期検査中に被災し、貯蔵プールには1〜4号機で最多の1,535体の燃料集合体がある。204体は定検後に使用予定だった未使用の燃料で、このうち2体を取り出します。(2012年7月18〜19日に取り出された)とある。 新燃料体数は、やはり204体であることになる。 またこんどは、原子力資料情報室の、東京電力から米国エネルギー省へ提供されたデータの使用済み核燃料プール内核燃料配置図(UNIT 4 SFP HEAT GENERATION RATE DISTRIBUTION)(下図)(2011年5月26日付け)を見ると、1,330体が貯蔵されていることがわかる。新燃料体204体は別の場所に保管されていたことがわかる。新燃料体は、内部での核反応熱が水で冷却しなければならないほど激しくなく、プールで保存する必要はないのである。

写真

もうひとつ別の情報で使用済み核燃料プールについて見てみよう。これは「4号機使用済燃料プール内ガレキ分布マップについて」東京電力2012年4月23日、発表の「使用済燃料プールのガレキ散乱状況」図(*2)である。この図には作成「日立GEニュークリア・エナージー(株)原子力設計部原予設となっていて1,548体の燃料が貯蔵されている。 さらに、平成25年(2013)11月6日に東京電力が公表した「4号機内部を公開」の使用済み核燃料プールの写真では、これと同じ数の核燃料体が貯蔵されているの事が確認できる。プール全体を調べることはできないが、主要な部分が「ガレキ散乱状況図」と同じである断定できるであろう。私は総数が1,331体であることを証明しようとしたが、それどころか1,535体を超えるほぼ100%の核燃料体が貯蔵されていたことがわかった。

写真

(*2)東電の2013年8月26日に公表した記者会見配布資料「4号機における原子炉ウェルおよび圧力容器、使用済燃料プール内のガレキ撤去および炉内機器の移動作業開始について」と同じ図である。これは東電が燃料体を取り出す作業に入ることを公表したときに使用されたものである。

「参考資料」

原子力規制委員会 事故分析検討会(第2回)より

地震発生前の4号機SFPの状態

使用済み燃料体 1,331体、新燃料体 204体

崩壊熱 2.26MW

水位(満水) 1,425?(9.9m NS方向、12.2m EN方向、11.8m 深さ)

水温 27℃

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