対日占領政策
            

対日占領政策

目的

 1)日本が、アメリカにとっても、また世界の平和と安全保障にとっても、ふたたび脅威とならないことを保障すること。

 2)他の国々の権利を尊重し、連合国の目的を支持するところの、平和的で責任を果たす信頼できる政府を確立すること。

 この目的達成のため、次の点を満たすことが必要である。

 a)日本の主権は、本州、北海道、九州、四国とその周辺の島々に限定される。

 b)日本は完全に武装解除され、非武装化され、軍国主義がまったく排除される。

 c)日本国民は、個人の自由の要求、基本的人権の尊重、特に、宗教・集会・言論・出版の自由が発展せしめられるよう奨励されること。

 d)日本国民は平和時の生活的要求を満たすに足る経済を自立のために発展させる機会を与えられること。

 以上の基本線に沿って、政策を述べるものであり、その中で「天皇」に関しては連合軍当局の「日本政府との関係」の項に、次のように記述されている。

 @天皇、および、日本政府の権威は、総司令官に従属する。総司令官は、降伏条件をなしとげ、日本の占領、および、支配のために設定された政策遂行に必要なすべての権力を保持するものである。・・・日本社会の現状、および最小限の兵力と資源とをもって、その目的を達成しようとするアメリカの要請より考慮して、総司令官は

 A天皇を含む日本の政府諸機関を通して、その権威(権限)を行使するであろう。日本政府は、総司令官の指示のもとに、内政上の事柄においては政府の通常の力を行使することが許される。しかしながら、この政策は、万一、天皇、あるいは、日本政府当局が降伏条件を達成するうえに、総司令官の要求を充分に満たすものでない場合には、政府機関、あるいは、人員を変更することを要求するか、あるいは、直接統治を行なうかの権利と義務とを総司令官に与えるものである。さらに、この政策は、総司令官をして、アメリカの目的達成に向かっての漸進的変化に逆らう場合、天皇、あるいは、日本の政府当局を支持させようとするものではない。

 Bこの政策は、日本の現存の政府を利用するものであって、それを支持しようとするものではない。日本政府の封建的・権威主義的傾向を修正する方向に政府の形態を変革しようとする動きが、日本国民、あるいは、政府によって率先して始められる場合、そのような変化は許されるべきことであり、好意を持って支持されることである。このような変化の遂行にあたって、

 C日本国民、あるいは、政府が、反対の立場にある人々に対して力の行使を伴うというような出来事が起こった場合、総司令官は、占領のためのみずからの兵力の保全と他のすべての占領目的達成のために必要な限りにおいてにのみ介入すべきである。

 この項は「天皇観の相剋 武田清子著 岩波書店」 第七章 占領政策と天皇制 一、占領政策の基本方針から引用した。

  
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